
| タイトル | イコノクラスト! @〜D | |
| 著者 | 榊一郎 | |
| イラスト | kyo | |
| 出版 | MF | |
| 発売日 | 2004年9月〜2006年6月 |
| 執筆者:jade | 各巻評価:C→B→A→B→B |
| 平凡な高校生・香芝省吾は、突如五人の美少女にひざまずかれる。 幼なじみの花梨といっしょに学校へ向かっていたはずが、ふたりとも異世界に引きずり込まれてしまったらしい。 その世界では、創世主たる神の呪いで人間が滅びつつあり、呪いを実行する「代行者」と戦えるのは、神の創造物ではない、異世界からの召喚者だけだという。 突然「救世主」になってしまった省吾は、やがて戦うことを決意する。 代行者に対抗できる唯一の手段<イコノクラスト>の搭乗者として…… というのがあらすじ。 本作は、異世界に召喚された平凡な高校生が救世主として悪と戦う、いわゆる英雄譚。 これだけだとジュヴェナイル小説にありがちな単なるヒーロー物に思えますが、いざ読んでみると重厚で仰々しい文章、人々の死や狂気に染まる心をオブラートに包まず描いた生々しい描写のオンパレード。すぐに小中高生向きの小説ではないことがわかるでしょう。 テーマは“英雄とは何か?”。 子供の頃に誰もが一度は憧れた典型的なヒーローを描いたものではありません。 むしろ、その真逆で、人々が抱く英雄に対する理想や幻想を排除し、現実的な視点からそのテーマに向き合っています。 多くの英雄譚のようにヒーロー願望を満たすような作品ではなく、また、あまりにも描写が生々しいため、明らかに万人受けする作品ではありませんが、『Fate/stay night』の第二章に通じるところがあり、個人的にはかなり好きですね。 正直、1巻の時点では地雷を踏んだかと思ったのですが、姫巫女たちとのラブコメ部分に一縷の望みを託して投げ出さないで読み続けて正解でした。 特に2巻のラストから3巻での、主人公・香芝省吾が精神を病んでいく過程の描写が秀逸ですね。 それに比べると(水準レベルには達しているものの)4,5巻のストーリー面はやや物足りない感がありますが、1巻から目を付けてたペルテアが乙女っぷりを存分に見せてくれるので個人的には十分満足できました(笑 あとがきによれば、全十巻の予定とのことなので、これでちょうど半分ですね。 果たして、榊一郎がこのテーマをどのように完結させるのか。 期待して続巻を待ちたいと思います。 |
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